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『負げでらんねい!』          (福島県 内堀副知事)
今回は福島県副知事の内堀雅雄さんにお話を伺うことができました。

☆皆で上を向いて…
2013年3月に開催された「鶴ヶ城プロジェクションマッピング はるか」をご覧になった内堀副知事。
『あの日は、体の芯まで冷えるような物凄く寒い夜でした。けれども、そんな寒さを忘れてしまうくらいに、桜の映像に包まれた鶴ヶ城は美しく、幻想的でした。それにも増して感動したことは、観客の皆さんが一斉に鶴ヶ城の天守閣を見上げ、口々に「きれいだ〜」と感動している様子を見ることができたことです。
福島復興にむけて、私たちは歩みを進めていますが、時には辛いことや悲しいこともあり、下を向いてしまう、うつむいてしまう時があります。ところがあの日は、皆が上を向いて、鶴ヶ城に咲く「はるか」を見て大きな笑顔になった。そんな姿がとても印象的でした。まさに、観客の皆さん一人一人が桜となって一緒に咲いた、そんな瞬間だったと思います。』

☆‘はるか’と共に、福島も「負けないで」復興を
震災から2年。走り続けた日々だったと内堀副知事は振り返ります。
『「あぁ、そういえば、しばらく桜を見ていなかったな…」そう気付かされたのも、あの「鶴ヶ城プロジェクションマッピング はるか」を見た時でした。正直この2年間は、とても桜をゆっくりと見る気持ちにはなれませんでした。
今の福島では200万県民のうち、15万人もの方々が未だに避難生活を余儀なくされています。復興には長い道のりがあり、難しい課題もたくさんあります。けれども、それを乗り越えて行く時に必要な気持ちがあるのを、‘はるか’を見た時にふと思い出しました。
それは福島弁で言うと、「負げでらんねい!!」という言葉です。とても力強いでしょう?
まだ幼木の‘はるか’が年月を経てと立派に成長していく。そして‘はるか’と共に福島も「負けないで」復興していく。そんな想いで‘はるか’の成長を見届けていきたいと思っています。

☆毎年春になると、桜はちゃんと咲いている…
いくつもの桜の名所がある場所としても有名な福島県。
内堀副知事は、現在は避難区域となっている富岡町「夜の森の桜」を例にあげて、とても感動的なお話をしてくださいました。
『「夜の森の桜」は、春になると、そこを歩く人の真上に桜のトンネルがずっと続くような所です。以前は富岡町の人たちが毎年恒例のさくら祭りを楽しむ名所として知られていましたが、現在は立ち入ることができません。けれども春になると、桜はちゃんと満開になって咲いているのです。私はそんな桜の姿を見た時に、思わず胸を打たれました。きっと桜は一生懸命咲きながら、「どうして誰も見てくれないんだろう」と不思議な思いだったと思います。
避難されている方々にふるさとの桜を見せてあげたい…と、今年はバスに乗って「夜の森の桜」をご覧頂く機会を富岡町がつくりました。多くの町民の方が「ふるさとの桜が見たい」という気持ちでいらっしゃいます。また、その気持ちが「いつかふるさとに帰るんだ!」という希望にもなっています。多くの県民の方々が桜を見て、元気になっていただけたらいいなと心から思っています。
つまり、昔の当たり前だった生活を取り戻せるようにすること、それがまさに福島の復興なのです。』
大変ご多忙なスケジュールの中、予定時間を越えてまでインタビューに一つ一つご丁寧にお答え下さった内堀副知事。大きくて優しい笑顔に、胸元の桜色のネクタイがとてもお似合いでした。

☆最後に「fukushimaさくらプロジェクト」にメッセージを下さい
このプロジェクトの話を初めて伺った時は、イベントとしての「鶴ヶ城プロジェクションマッピング はるか」も大変素晴らしいと思いました。それだけではなく、様々な企業の方々がプロジェクトに参加して、新種の桜‘はるか’の成長を共に見届ける、そして同時に福島の復興を応援していくという‘継続性’に心を打たれ
ました。
僕がメッセージとして言いたいことはただ一つです。
皆さん『ありがとなし!』。
                                    (Rie Kawahara)